2017/10/05

特論@千葉

 大学院の授業で、実際の建築を観るというプログラムを4回シリーズでおこなっている。ランダムに学生に4つの建築をセレクトしてもらい、その4作品を軸に建築(現代建築)の設計手法を斬っていくという、ある意味かなり乱暴な趣向で展開している。しかし、意外な共通項がみえてきたりと、その意外性が実は真髄にアプローチしていけるのではないか、という妄想を若干抱きながら、今回は千葉県立美術館(設計:大高正人)へ。
 昨年のゼミ旅行で坂出の人工大地をみて衝撃だったが、千葉県美も力強いまさに力作だと思う。展示室が増築可能な仕組みを持たせているような平面計画(正形の4隅が切り落とされており、その先端部が各室のジャンクションになっている)が特徴的。そして、展示室の四隅部に抜けや小さな空間を配していて、外部との連続性を感じられる空間構成が秀逸である。
 当たり前のことだが、実際に建築をみてみないと本当の意味で分からないのだなぁ、と改めて実感。
 ちなみに、後の3建築は、北斎美術館、瑠璃光院、六町ミュージアム、というラインナップ(個人的には、なかなか渋い感じじゃないかと思っている)。さて、どんな考察結果となるか、学生諸君に期待である。(TM)